ゴー宣DOJO

BLOGブログ
泉美木蘭
2020.8.28 18:33

指定感染症を維持したままか?

安倍首相の辞任記者会見、
コロナについての話がほんの少ししかなくて、驚いてしまった。
記者の人たちも、全然つっこんだ質問しない。
国民の生活かかってるのに、なんでそんなに興味ないの・・・?

まず、

「1日20万件の検査体制にして、高齢者施設と病院では、
地域の感染状況によって定期的に一斉検査を行う」

それって、ハイリスクの人たちを守るというより、
無症状者を発見してしまう現在の状況とかわりがないし、
検査したら感染しなくなるというわけではないので、
どのぐらい意味があるのかよくわからないのですが・・・。

「今後は政令改正を含め、運用を見直す。
軽症者や無症状者は宿泊施設や自宅での療養を徹底し、
保健所や医療機関の負担軽減を図る」

とのことですが、新型コロナは、
まず1月28日の政令で、感染症法の「指定感染症」に指定され、
さらに「2類相当」ということで、
入院勧告や、入院費の公費負担や、保健所への届け出、
指定された医療機関のみが診療するということなどが
決まりました。

その後、2月13日の政令で、
「無症状病原体保有者の入院の措置対象への追加:
新型コロナウイルス感染症の無症状病原体保有者を
新型コロナウイルス感染症の患者とみなして、
入院の措置の対象とする」

ということが追加で決まりました。
2類感染症の場合、無症状者には患者扱いが適用されませんので、
この政令は、新型コロナを、エボラ出血熱など「1類」の感染症
と同じ扱いに切り替えるものです。

このために、新型コロナは「2類相当の感染症」というイメージ
でありながら、実質的には「1類」の取り扱いになっており、
無症状の元気な若者をどんどん指定医療機関に入院させなければ
ならなくなり、ベッドが占領されました。

安倍首相の発言からは、2月13日の政令を見直すことで、
まず、軽症者や無症状者を病院から解放し、どうしても入院したい
場合は自費入院とする、ということが確定したようです。

ただし、1月28日の政令まで見直すのかどうかはわからないので
指定感染症を外すのかどうかは、会見からはわかりません。
また、少なくとも「1類扱い」→「2類」にするのは確定ですが、
インフルエンザと同じ「5類」にするのかどうかは、
あの会見からは
わかりません。

少なくとも今日の午後、厚労省から「指定感染症は維持する」
という発言があったので、指定感染症は外れないかもしれません。
世論の反発が強いので外せない、のかもしれません。

そうすると、無症状者や軽症者は病院から出ることになっても、
指定された医療機関にしか診療できないという状況は変わりません。

会見からわかったことは以上です。

泉美木蘭

昭和52年、三重県生まれ。近畿大学文芸学部卒業後、起業するもたちまち人生袋小路。紆余曲折あって物書きに。小説『会社ごっこ』(太田出版)『オンナ部』(バジリコ)『エム女の手帖』(幻冬舎)『AiLARA「ナジャ」と「アイララ」の半世紀』(Echell-1)等。創作朗読「もくれん座」主宰『ヤマトタケル物語』『あわてんぼ!』『瓶の中の男』等。『小林よしのりライジング』にて社会時評『泉美木蘭のトンデモ見聞録』、幻冬舎Plusにて『オオカミ少女に気をつけろ!~欲望と世論とフェイクニュース』を連載中。東洋経済オンラインでも定期的に記事を執筆している。
TOKYO MX『モーニングCROSS』コメンテーター。
趣味は合気道とサルサ、ラテンDJ。

次回の開催予定

第117回

第117回 令和6年 5/25 SAT
14:00~17:00

テーマ: ゴー宣DOJO in大阪「週刊文春を糾弾せよ!」

INFORMATIONお知らせ